モデルコース

古代の大宰府を歩く 大宰府政庁跡から観世音寺へ(2時間)

宰府展示館  → 大宰府政庁跡 → 大宰府学校院跡 → 戒壇院 → 観世音寺

太宰府市には古代において九州全体を統括した役所「大宰府」を中心として西の都とも称された街並みが広がっていました。
本コースは、1300年以上の歴史を誇る太宰府の歴史や史跡を堪能するとともに、太宰府を代表する古刹・観世音寺を巡ります。
また、大宰府展示館では史跡から出土した様々な資料や大宰府政庁や観世音寺の往時の姿を再現した模型などを、観世音寺宝蔵では平安時代から鎌倉時代にかけて作られた16体の仏像をはじめとする西日本随一の仏教美術をご覧いただけます。

ご紹介しているコースは、ボランティア「大宰府史跡解説員」によるご案内も可能です。
ご希望の方は2週間前までにお申し込みください。お申し込みはこちらまで
  1. 大宰府展示館

    大宰府展示館では昭和55年の開館以来、発掘調査で見つかった出土資料をはじめ、パネルやジオラマなどの展示を通じて古都大宰府の歴史を分かりやすくご紹介しています。
    館内では様々な展示資料と共に、昭和43年に始まった大宰府政庁跡の発掘調査により検出された玉石敷の溝と素掘りの溝を保存・公開しており、1300年前の姿を直接ご覧いただけます。
    また、元号「令和」ゆかりの行事として注目を浴びた「梅花の宴」(ばいかのえん)についても、博多人形で再現したジオラマを中心として「令和」と「太宰府」の関りについてご紹介しています。
    太宰府観光や歴史散策、学校の社会科学習の起点として是非ご利用ください。

    大宰府展示館 入館料
    ・一般200円 大学生・高校生100円 中学生以下無料
    ※障害者手帳をご提示いただきますと、ご本人様と介護者1名様は無料でご入館いただけます。ご来館時に受付にてご提示ください。

    〔アクセス〕
    ・バスご利用の方
     大宰府政庁跡バス停より徒歩1分
    ◆太宰府ライナーバス「旅人号」(高速直通バス)
     博多バスターミナル(JR博多駅そば)から40分 運賃610円
     福岡空港国際線ターミナルから25分 運賃510円
    ◆太宰府市コミュニティバス「まほろば号」
     西鉄都府楼前駅から「内山[竈門神社]行」または「⑤北谷回り」に乗車5分
     運賃100円均一

    ・自家用車ご利用の方
     大宰府政庁跡多目的広場から歩いて3分
    (普通車40台程度・午前8時30分から午後5時30分まで)

    ・観光バスなどでお越しの方
     バス停と道を挟んだ南側にあるバス専用駐車場より歩いて3分
    (大宰府政庁前バス専用 駐車場11台 ※予約制度は現在行っていません)
     ●利用時間   8時から18時
     ●料金について 大型バス 2,000円、マイクロバス 1,300円
     ●詳しくは太宰府市HPをご覧ください
      http://www.city.dazaifu.lg.jp/kanko/event/topics/15246.html

  2. 大宰府政庁跡
    かつてこの地には、7世紀後半から12世紀前半にかけて地方最大の役所「大宰府」が置かれ、西海道(九州一帯)の統治、対外交流の窓口、軍事防衛の拠点という重要な役割を担っていました。
    なかでも政庁は大宰府の中心部で重要な儀式などに使われた建物です。
    正面中央には南門があり、次の中門を入ると回廊で囲まれた広場があり、中心部に正殿、正殿北側に後殿、広場の東西に脇殿が2棟ずつ建ち並ぶ配置となっていました。
    これまでの発掘調査の成果により、大宰府政庁は8世紀前半に奈良の平城京を模した朝堂院形式の礎石建物に整備されるなど、3回の建て替えが判明しています。
    ■政庁第Ⅰ期 7世紀後半~8世紀第1四半期
    ■政庁第Ⅱ期 8世紀第1四半期~10世紀前半
    ■政庁第Ⅲ期 10世紀後半~12世紀前半
    往時の建物の様子は、100分の1スケールの再現模型が大宰府展示館に展示されていますので、是非そちらもご覧ください。
  3. 大宰府政庁 正殿跡の三基の石碑
    かつて地方最大の役所「大宰府」が置かれた大宰府政庁跡でしたが、江戸時代から明治時代にかけて礎石の抜き取りや荒廃などが進みました。
    そのような中、明治4(1871)年、明治13(1880)年、大正3(1914)年と相次いで政庁跡に「大宰府」を顕彰する石碑が建立されました。
    現在も残るこれら3基の石碑は、地元の人々による「大宰府」保護への願いの顕れとして注目すべき文化遺産です。

    ■向かって中央 都督府古趾碑 明治4(1871)年
     筑前国御笠郡乙金村(現福岡県大野城市)出身の大庄屋高原善七郎美徳が自費で建立。
    ■向かって左側 太宰府址碑  明治13年(1880)年
     御笠郡の有志によって建立されたもので、字は書家の日下部鳴鶴(くさかべめいかく)によるものです。
    ■向かって右側 太宰府碑   大正3(1914)年
     寛政元(1789)年に福岡藩の命により亀井南冥が撰文しましたが、碑文の一部が体制批判であるとされ、建立は中止されました。
     門下生などの尽力により、南冥没後100年の大正3(1914)年に建立されました。
  4. 大宰府学校院跡
    大宰府政庁跡と観世音寺の間に位置する国史跡で、古代において役人を養成する機関・学校院(がっこういん)が置かれていました。
    学校院は大宰府の学校「府学校」ともいわれ、奈良時代から平安時代にかけて九州諸国から学生が集まり、天応元年(781)には約200人の学生がいた記録があります。
    学生たちは中国の「五経」などを教科書に、政治・医術・算術・文章など必要な科目を学び、試験に合格した後に役人として採用されました。
    学校院跡では、これまでに行われた発掘調査によって掘立柱建物や溝などが確認されています。


    〔ここがオススメ‼〕
    秋になると学校院跡ではピラカンサが美しく紅葉します。
    秋の古都巡りの際は是非ご覧ください。
  5. 戒壇院

    戒壇院の名前となっている「戒壇」とは、僧尼となるのに必要な戒律を授けるための場のことをいいます。
    日本では、中国・唐から鑑真を招いて正式な戒律・受戒作法が伝えられ、天平勝宝6年(754)に奈良・東大寺に戒壇院が建立されました。
    ついで天平宝字5年(761)に東大寺での受戒が困難な地方僧侶のため、関東・下野国の薬師寺に東の戒壇、筑紫・大宰府の観世音寺に西の戒壇が設立されたことから、3つを合わせて「天下の三戒壇」と称されました。

     
    〔ここがオススメ‼〕
    落ち着いた雰囲気の戒壇院境内では、毎年6月前後に菩提樹(ボダイジュ)の美しい花が咲きます。
    樹齢200年以上とみられ、鑑真和上ゆかりとも伝えられる菩提樹は太宰府市の天然記念物にも指定されています。

  6. 観世音寺

    観世音寺は、天智天皇が母・斉明天皇の冥福を祈って発願した寺院で、670年前後から造営が始められたと考えられています。
    7世紀後半には、現在も国宝として残る梵鐘が鋳造され、686年には寺領として200戸が与えられ、伎楽(古代の仮面劇)の一団も移されてきたようです。
    やがて、723年に沙弥満誓が、745年には玄昉が、造筑紫観世音寺別当として派遣され、746年に観世音寺は供養の日を迎え完成しました。
    その後、761年には戒壇院が設けられるなど、西海道(九州)における寺院の中心として重要な役割を果たした観世音寺は大宰府の大寺院「府の大寺」と称されました。

    また、観世音寺は山号を清水山といいますが、寺の背後より湧き出る清水に由来するといわれます。
    紫式部の『源氏物語』玉鬘(たまかずら)巻では「清水の御寺の観世音寺に詣で給ひし・・・」とあり、平安時代から広く人々に知られる寺院だったようです。

    〔ここがオススメ‼〕
    太宰府を代表する古刹・観世音寺の境内には歴史を感じる様々な文化遺産があります。
    お時間がありましたら是非じっくりと境内を散策ください。

    観世音寺の入口にそびえる寺号碑は、入木道の書家として有名な張堂寂俊(号 大龍・龍禅子)によるものです。美しい筆使いによる文字を是非ご覧ください。

    境内にある碾磑(てんがい)は8世紀頃に使用されたと考えられる国内でも有数の古い石臼で、「天平の石臼」と称されています。

    観世音寺の北側には僧侶たちが住み生活をおくった僧房の跡があり、東西に長い建物の土台となった礎石が整備・復元されています。

    観世音寺では写真のショウブをはじめ、ノダフジ、ナンキンハゼ、コスモスなど四季折々の草花が境内を彩ります。

  7. 観世音寺 宝蔵
    観世音寺の宝蔵には5mを越す馬頭観世音菩薩立像をはじめ、平安時代から鎌倉時代にかけて作られた16体の仏像(重要文化財)などが安置されています。
    西日本随一の仏教美術を是非ご覧ください。


    上記画像は石田琳彰御住職『観世音寺の歴史と文化財: 府大寺から観音信仰の寺へ』より転載

    〔宝蔵のご案内〕
    開館  9:00~17:00(入館は16:30まで)
    休館日 なし
    入館料 大人500円(300円)
        大学生・高校生300円(200円)
        中学生・小学生150円(100円)
    ※()内は20人以上の団体料金


    〔観世音寺からのアクセス〕
    ・バスご利用の方
    ◆福岡空港・JR博多駅方面へご利用のお客様
      観世音寺入口から県道を東方面へ徒歩2分「太宰府市役所」バス停より
      太宰府ライナーバス「旅人号」(高速直通バス)をご利用ください

    ◆太宰府天満宮方面へご利用のお客様
     ①観世音寺入口から県道を東方面へ徒歩2分「太宰府市役所」バス停より
      太宰府ライナーバス「旅人号」(高速直通バス)をご利用ください
      ※「旅人号」は太宰府市役所の次は終点・西鉄太宰府駅ですので「まほろば号」より早く到着します。
     ②観世音寺入口そば「観世音寺前」バス停より
      太宰府市コミュニティバス「まほろば号」の「内山[竈門神社]行」または「⑤北谷回り」をご利用ください
     ※①②ともに運賃100円

    ◆大宰府政庁跡、西鉄都府楼前駅方面へご利用のお客様
     観世音寺入口からボタン式信号にて横断歩道を渡り、道路向かい側の「観世音寺前」バス停より太宰府市コミュニティバス「まほろば号」をご利用ください
     運賃100円

    ・自家用車ご利用の方
     観世音寺入口の脇にある多目的広場をご利用ください
    (普通車45台程度・午前8時30分から午後5時30分まで)